季節で異なる着物の仕立て【袷(あわせ)・単衣(ひとえ)・薄物】と考え方 〜岩手県一関市 和とわ総本店 着付教室
こんにちは、一関和とわ総本店で着付講師をしております鈴木です。
お盆も過ぎてここ一関は朝晩は涼しいを通り越して肌寒さを感じる程です。
私は寒さが苦手で故に夏が好きです。
さすがに最近の暑さは異常で好きと言い難いところはありますが、気持ちは過ぎ行く夏を惜しんでいます。
よく言われます、着物は決まり事が難しそうで……と。
着物の話題でよく出るのが、着物の決まり事がよくわからなくて、だから着る事ができない、というものです。
難しいですよね。私もそう思います。着付け講師をしているくせにと叱られそうですが本当の事なので仕方ありません。
着物は長い歴史と共にたくさんの人達が創り上げてきたとてつもなく奥も幅も深く広いものです。
そんなとてつもなく奥深い着物の世界と私はどう向き合っているのか、というと(難しい奥深い大きい世界の)入口から一つ一つです。
全体像は果てしなく大きいので目の前にある物から一つ一つ学んでいこうという気持ちで向き合っています。
和とわ総本店の店長はじめ長く和とわ総本店を支えてきたベテランスタッフや他の先生方に聞いたり教えていただいたりしています。
教室では私の得た知識をお伝えしていますが答えられない質問を受けたりした時には後で確認してお答えします。知ったかぶりをして間違った事を言ってはいけませんからね。
教室で生徒さんにお話しする“着物の決まり事”を一つ紹介します。
取りあえず最初にお話しするのは季節によって変える着物の種類(仕立て)です。
あまりにも初歩すぎて本にも書いていないくらいです。
洋服の衣替えに似ています。
①袷(あわせ)…10月~翌年5月迄着用。
ある意味冬物です。着用期間が一番長く着物といったら袷というイメージです。
裏生地を付けて仕立て上げた着物を袷とよびます。
教室で着用する貸し出し用着物も袷をご用意しております。
②単衣(ひとえ)…6月と9月に着用。夏物です。
袷と薄物(次に紹介する)の間に着ます。裏地が付いていません。
裏地が付いていない分軽く薄い仕上がりとなっております。
袷に比べ大分涼しいです。
ちりめんや紬等の透けない単衣をこの時期に着ます。
③薄物(うすもの)…7月8月盛夏に着用。
単衣の中でも透ける着物、絽(ろ)紗(しゃ)そして麻等の薄手の物をこの時期に着ます。
透ける生地のまさに薄物です。
落語家さんが夏に着ていらっしゃるのを目にした事があるのではないでしょうか。
透けているのですぐわかります。見た目にも涼し気です。
※単衣に関しては生地の透け具合、厚み、色柄を総合的に見て判断します。
今ここにあげた事はそもそもの基本です。
大きく季節分けしましたが、それ以外にもたくさんあります。
今日は決まり事を一つ紹介しました。
「決まり事」昔どおりに守るべき?
皆さん、着物を着るに当たり決まり事を知らないという事が不安なので勉強したいと思っておられる訳で、私も講師として知っている範囲でお伝えすべきだと思う決まり事をお話しています。
それを昔どおりに守るべきか?というのはまた別の問題です。
とても私ごときが意見など述べられません。
とはいうものの近頃よく取り沙汰されていますのは、最近の異常な気候です。
先程あげた決まり事は最近の暑さに沿っていないのではないか?というものです。
私は着物の専門家の方達と接することが多いのですがかなりの割合で単衣や薄物の着用する時期が早くなったり期間が長くなったりしているようです。
そこは皆さん着物の知識もあっての上であえて個人の考えでそういう事をしているという事になります。
決まりは知っているが、この暑さなのであえて薄物を着ています、みたいな感じです。
それでも、決まりを知っているのと知らないのとでは全然違いますから。
今日は着物の決まり事が難しそうでと二の足を踏んで迷っておられる方に少しでもお役に立てばよいなと、ひとつ紹介しました。
一関和とわ総本店の着付教室9月10月教室そろそろ始まります。
ぜひ続きは教室でお話ししましょう。お待ちしております。
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「和とわ総本店」は江戸時代から9代続く老舗呉服店です。
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