帯結びの二刀流を目指して ~岩手県一関市・和とわ総本店 着付け教室~
こんにちは。
岩手県一関市の和とわ総本店で着付け教室の講師をしております石川です。
先月末、一関文化センターで93年前の花嫁衣裳を観て来ました。
打ち掛け、振り袖、袋帯の3点で、1世紀近い歳月を経たとは思えないほど状態の良いとても素晴らしい物でした。
刺繍や染めや織りの日本の技術が今後も継承されていくことを願っています。
帯の種類について
今回は帯のお話です。
帯の種類は袋帯、名古屋帯、半幅帯、織の帯、染めの帯等々、長さも巾も仕立て方も様々です。
これらのどの帯も和とわの着付け教室では前結びをします。
印伝の帯と驚きの出会い
催事に出かけて塩沢紬を着せていただいた時のことです。
問屋さんが「こんな帯はいかがですか?」と、なんと『印伝の帯』を奥の方から出してくださいました。
「えっ? 印伝の帯?」とびっくりしてしまいました。
印伝という日本古来の技法
印伝と言えば、鹿革に漆で模様をつける技法の革製品で、財布やバッグ、巾着、印鑑入れなどは見た事がありますが、帯があるとは知りませんでした。
もちろんその帯は革製品ではなく、絹織物の帯生地に漆で柄付けした布製品で、「越後染印伝」という銘がありました。
「出会ってしまった」という感じでした。
墨色に生成色の花唐草を印伝の技法で表したもので、名古屋仕立ても出来ると言われましたが、全通の袋帯に仕立てていただきました。
何に合わせて締めようか思いながら、しばらく眠らせておきましたが、今年の9月、単衣仕立ての白大島に締めてみる事にしました。
柄の出具合が微妙で、手先をどちらにするか
でしばらく迷いましたが、やっと決まり、準備万端整えて着物を着ました。
いよいよ「印伝の帯」です。
厚みがあり、少し重い感じがしましたが、いつも通りごく普通に二重太鼓が出来上がりました。
垂れの長さやゆるみがないか確認し、左脇に両手をかけ、いざ背中に回そうとしました。
回らない帯
が、なんと動かないのです。
テープもクリップもはずしましたし、そんなはずはないと思い、「うっ!」と力を入れましたが、どうしてもいつものようには回りません。
力づくで回そうとすると、回らないはずの帯板が動き、せっかく決めた衿元までずれてしまいそうでした。
その時はあきらめましたが、時間に余裕のある時で良かったと思いました。
気を取り直し、後日もう一度締めてみましたが、やっぱり回せませんでした。
回しづらい帯はありましたが、回らない帯に出会ったのは初めてで、どうしたものかと落ち込んでしまいました。
前結びがだめなら後ろ結びで
そうなると後ろで結ぶしかありません。
思い切って後ろ結びの着付け教室に通おうかとチラッと思ったりしましたが、腕も肩も痛くないし、前結びでも後ろでする作業が結構あるので、大丈夫ではないかと思いました。
結んであげるイメージで
他装での帯結びの手順をイメージトレーニングし、二重太鼓を初めて後ろで結んでみました。
出来栄えを鏡で確認したら、お太鼓の山がデコボコになっていました。
2回目には垂れが長すぎました。
どこをどう引けばどうなるのか、今手で押さえている所はどうなっているのか、見えないので分からないのです。
後ろに目があったらなと思いながら練習しています。
前結びと後ろ結びの二刀流を目指して
慣れるまで少し時間が掛かりそうですが、諦めずに練習し、前結びと後ろ結びの二刀流になろうと思っています。
事前確認をおススメします
今回は回らない帯のお話でしたが、新しい着物や帯の着心地、締め心地を事前に確認しておくことで、当日着付けする時の気持ちに余裕が出来る気がします。
暑くもなく寒くもなく、ちょうど良い季節です。
芸術の秋が感じられる展覧会や演奏会に、着物で出かけてみてはいかがでしょうか。
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