自分らしさ全開 個性とセンスを生かして楽しむ
気軽なお出かけ、あるいはおうち着物として最適なのが小紋や紬です。長く続くおうち時間。着物を着ることで家にいながら気分転換もできますし、気分も上がります。お客様を迎えるホームパーティーにも向いています。 お出かけの範囲も広いものです。小さな集まりやお稽古、ウインドウショッピング、旅行、観光、カフェめぐり、お花見など。フォーマルな場所以外の行動範囲のすべてをカバーできます。草履も低いものや下駄を合わせるので、歩きやすいのです。 綿や麻、ポリエステルも扱いやすく、気軽にお召しいただくことができます。
趣味の着物であり、自分が自分のために装うので、着こなしに制約はありません。帯は洒落袋、名古屋帯、半幅帯、兵児帯もありです。変わり結びにトライするのもいいでしょう。 帯締・帯揚の冒険もいいものです。色や柄の組み合わせを思いっきり楽しんでみましょう。 そして、なによりも楽しみたいのが、長襦袢。フォーマルでは白や薄い色が決まりですが、おしゃれ着は自由に選べます。袖の振りからちらりと見えるだけですが、大胆な柄や派手な色は見るだけでも楽しいもの。 地味な紬の振りから反対色がちらりと見える。おしゃれの醍醐味でもあります。
日本全国津々浦々、それぞれの地域に固有の織りがあります。人と機の協同作業で織られる紬は手仕事ならではの温もりや温かみが魅力です。 各地の紬はそれぞれ特徴がありますが、大別すると大島紬に代表されるような艶やかな紬、真綿から紡いだ結城紬のようにほっこりとした紬となります。 いずれも落ち着いた色合いでしっとりとした魅力があります。しっとりとした雰囲気に加え、穏やかな色合いや深い色合いは着る人を穏やかに包み込みます。 通常、紬は先染め(糸の段階で染める)ですが、紬地に後染めをした紬の訪問着や小紋もあります。街着ではありますが、先染めの紬よりも格は高いものとなります。 自分好みの紬を見つけるのは着物ライフの楽しみ。産地や歴史的背景、お手入れ、着こなしなど、店頭でいろいろ尋ねてみましょう。また、イベントでは産地の生産者が来店することもあります。良い機会なので、製作工程や織の工夫などを直接聞いてみてください。奥深い紬の世界を垣間見ることができるに違いありません。
着物は決まり事が多くて、大変。組み合わせを間違えると笑われそう……。着付けとともに着物の敷居を高くしているのが、この決まり事ではないでしょうか。 では、着物の決まり事は特殊なのでしょうか。意識はしませんが、洋服でも同様な決め事があります。 結婚式では指定がない限り、やはりシックな装いになり、トートバッグやジーンズでは参加しません。子供の入学式の付き添いにはダークスーツやツーピースなど、学びの場にふさわしい装いをします。 こうした決まり事がそのまま着物にもスライドするのです。
留袖はフォーマルドレス。バッグは小ぶりのものになり、ヒールのある靴です。着物も同様で、小ぶりなバッグに髙さのある草履です。 ダークスーツに匹敵するのが江戸小紋や色無地です。すっきりと着こなすのか、はんなりと装うのか。洋服ではインナー、アクセサリー、靴などで変化させますが、着物では帯や小物遣いで着用シーンに合わせていくのです。 そして、街着としてのワンピースやチュニックに相応するのが小紋や紬、木綿です。帯や小物だけでなく、色半衿や柄足袋など、柄×柄、色×色にセンスと個性を発揮できます。 手作りの帯飾りや帯留もすてきです。お気に入りのエンブレムをつけたり、リボンを加えたりする感覚でチャレンジすると、着物ライフが一層楽しくなります。