藍染の青~藍白によせて ~岩手県一関市・和とわ総本店
こんにちは。
岩手県一関市の和とわ総本店で着付け教室の講師をしております石川です。
早いもので今年も立春が過ぎました。
南の方から花の便りが聞こえてくるのもそろそろでしょうか。
待ち遠しいです。
さて、今回は藍染のお話です。
◎藍を「建てる」
藍染液を作ることを「藍建て」といいますが、「立てる」でも「点てる」でもなく、「建てる」という字があてられています。
「ああ、そうなんだぁ」
「職人の仕事」という感じがして妙に納得させられます。
◎藍染の色いろいろ
「四十八藍(藍四十八色)」と言われるほど藍染の色はたくさんあります。
甕覗(かめのぞき)、浅葱(あさぎ)、縹(はなだ)、納戸(なんど)、熨斗目色(のしめいろ)、勝色(褐色)(かちいろ)等々、染める回数によって色合いが変わってきます。
◎薄い青「甕覗き(かめのぞき)」
「甕覗(かめのぞき)」って何?とずっと思っていましたが、「藍甕(あいがめ)を覗いたら、ちょっと染まってしまった」ぐらいの淡い色のことだと分かりました。
◎新撰組の羽織の色は「浅葱色(あさぎいろ)」
「浅葱色(あさぎいろ)」は薄いネギの色に似ていることから呼ばれるようになったそうですが、今のネギは白くてピンとこないなと思います。
藍染めの中では薄い方の色で、幕末の新撰組の羽織の色はこの浅葱色でした。
◎大奥で流行った「納戸色(なんどいろ)」
「納戸色(なんどいろ)」は、美白効果のある藍染が大奥の女性たちに好まれ、納戸が緑色を帯びた青色でいっぱいになったことから納戸色といわれるようになったという説があります。
◎武士の小袖は「熨斗目色(のしめいろ)」
「熨斗目色(のしめいろ)」の熨斗目は、江戸時代の武士の礼装で、麻裃(あさがみしも)の下に着用する小袖のことです。
地染めが藍染の落ち着いた色味だったことから多く使われ、熨斗目色と呼ばれたようです。
時代劇で裃姿は見ますが、小袖の色までは気にしたことがなかったので、大河ドラマが楽しみになりました。
◎「止紺(とめこん)」と「藍白(あいじろ)」
「止紺(留紺)(とめこん)」と「藍白(あいじろ)」という色があります。
「止紺」は藍染の中で最も濃い色で、布が「これ以上濃く染まることができない」という色です。
一方、「藍白」は「甕覗」よりも薄い色で、
藍甕の中の藍建てされた藍が「もうこれ以上色を染めることができない」という色だと知りました。
「止紺」と「藍白」は、染まる布と染める藍の限界の色なのだということです。
白いのに藍の色だという「藍白」。
藍染の中で一番好きな色、色名になりました。
◎中西秀典先生 有難うございました
今回このブログを書くにあたり、本藍染職人の中西秀典先生からお話をお聞きしました。
初日に「甕覗」「浅葱色」「納戸色」などについては分かったのですが、もっとお聞きしたくて、最終日にまた押し掛けたのです。
しつこいかなと少し気が引けたのですが、快く応じてくださったお陰で「藍白」を知ることが出来、とても良かったと思っています。
うまく文章に出来ないなと、もどかしく思いながらもなんとかここまで書いてみました。
今期の着付け教室が始まりました。
教えていただいた事は、何かの機会に生徒さん方にもお伝えしたいと思っています。
中西先生、有難うございました。
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